やっぱ思った通りだった。クマノミの株券があったら買いたかった。熱帯魚、しかも海水魚は水温やらphやら管理がやたら難しく、飼育しようって言ったって、そう簡単にはいかないわけさぁ。(熱帯魚ネタなので、沖縄弁)それからものすごい勢いで泳ぐしガラスにぶつかったら痛いということを学習しないから、小さい水槽では激突を繰り返して死んじゃうんだよね。ということで、10数年前クマノミとイソギンチャク飼育しようとしてて、諦めたのさ でも、公開予告が始まった頃から、この株券があったら、高く化けるなぁと思ってたのさぁ。そしたら、公開まもなく値段が3倍になって、しかも品薄状態だそうだから、読みは的中だったのさぁ。だけども、上手に飼育出来ずにみんな殺しちゃうんだろうなぁ。しかも、映画の中身全く無視して品薄になるくらい売れてるんだから、本末転倒な話だよなてんで、笑ってました。  さて、本題。ディズニーは相変わらずスゴイ。なにがスゴイって、ヨーロッパ人に見てもらおうと人魚姫やピノッキオ(ディズニーはピノキオか)、白雪姫を取り入れキャラクターにしちゃってたけどさぁ。ここんとこの作品は、媚びを売ろうってんじゃなくマイノリティを主人公にしていた。ポカホンタス、ムーラン、リロ&ステッチと言う具合に。  そんなわけで、身体に障害を持つ主人公が作られることは予測できた。しかし、かくも見事にやってのけるとは恐れ入った。魚を使うとは…。たくさんの卵の中からたまたま生き残った一個。それがニモだ。右胸ビレが未成熟という障害を持っている。父親はそのハンデを痛ましく思い、過度に面倒を見る。そのニモが突如現れたダイバーによって捕獲されてしまう。命がけで守るといった父親マーリンの息子捜しの旅が始まった…。  ニモは身体に障害を持っているが、他はどうだろうか?父親マーリンは珊瑚礁から出たこともなく(もっともイソギンチャクを自分の家にしているクマノミが遠くまで泳いで行ったら、これも怖いが)大海を知らない。現在の自分の知識だけで充分、息子もその意志に従うべきという情報障害者だ。泳ぎが得意なくせに健忘症で、相手と上手くつきあえないナンヨウハギのドリーは対人障害(コミュニケーション障害)と言うべきか。大きな顔で風を切って泳ぐ鮫たちは自分たちのイメージアップを図ろうと勉強会を開き、社会へ適応しようと努力しているが、本能には勝てず、麻薬中毒者のように一進一退の戦いを日々行っている。社会とは、いろんな人がいるんだということを種類の多い海の生き物を通して表現している。なんとも素晴らしい比喩ではないか。  水槽の中でも、そこに適応しているもの、酸素の泡を見つめることで自分を感じるノイローゼの魚やら様々。ボス的存在ツノダシのギルが、ニモに新人の儀式を行うという。周りは、胸びれが小さいとか、まだ子どもだとかとかばうが、ギルはお構いなしだ。ニモがその儀式を勤め上げた時、仲間に入れようと、子どもでもなく、障害を持っている子でもなく、一匹の仲間として扱い始める。  そうなんだよな。これが出来ないんだよね。ついつい全く無視するか、遠巻きに見て見ぬ振りするか、過度に面倒見過ぎるかと極端な対応しか出来ないんだよね。アウトロー的存在のギルだから出来たけど、普段の我々はやれないし、周りも可愛そうばっかりでやらしてもらえない。その辺りの行きすぎたというか、間違った同情は、差別以外のなにものでないんだよと教えてくれる。なるほど、英語版はウィレム・デフォーが声優を担当している所をみても、このシーンの重要性が伺える。  マーリンとドリーの会話はちょっとうるさすぎたし、ギャグが足りなかったような気がする。(日本語版を見てしまった)きっと翻訳者選定のミスだろう。しかし、二人の息はいい感じだった。ドリーの顔のソバカスが流石はアメリカ人と大いに受けた。  冒頭でも述べたけど、やはり美しい熱帯魚は美しい海で見るのが望ましい。極悪人が誰一人登場しない「ファイティング・ニモ」。強いて言うなら、魚を殺しちゃう歯医者の姪のダーラだねと言うかも知れないが、さにあらず。水槽で飼われている魚達はみな精神を病んでいた。そんな場面を見ても気づかず、後々の面倒を見ることも考えずペットショップに魚を買いにいく人たちこそが、ダーラ以上の人なんだよなぁ。  水中の描写は素晴らしい。水が濁っていく様、陽射しを受ける浅瀬の海、魚たちの優雅に泳ぐ時と急いで泳ぐときのひれの使い方の違いから水中でクラゲの背で弾むシーンなど、よくまぁこんな細かい描写をと拍手したくなった。セルではできない、やっぱ技術の進歩なんだよね、今のCGならではの表現力だす。いろいろ笑えたけど、最高だったのはシドニー湾についた時、二匹がせびれというか体を半分出して陸地を見るシーン。いくら軍事国家アメリカでも、あれが普通に見れるのかい。おいおい、潜水艦じゃないんだからさぁと笑ってしまった。 シュールなギャグでエンディングを迎えるが、タイトルロールのイソギンチャクの触手の動きには感動したね、100人のスミスが一人一人違った動きしてますって、マトリックス・リローデッドで宣伝してたけど、ふーん程度だったもんね。このイソギンチャクの柔らかな動きの方が、よっぽど理解できるけどなぁ、あの技使っているんだったら。  会社の同僚が、「ニモだって戦ってんですから(どうやらファイティング・ニモと思っていたらしい)、我々も戦いましょう」と訳のわかんないこという上司に戦いを挑もうと言っていたが、そんなこと考えずに美しい海で自分をファインディング出来たらなんといいことか。  そう言えば、ニモ、ニモと呼んでいるけど英語表記はNEMOなんだよね。我がベガルタ仙台の左サイドでアンダー22のNEMOこと、根本裕一選手はどこに行くのだろう?J2降格したんで移籍しちゃうんだろうなぁ。今度は、仙台サポが鹿島辺りの海をネモを探しに行かねばならぬのか?ベガルタ仙台のファインディング・J1ロードはまだまだ暗い海の中。ブクブクブク。 45point.gif