親戚のおばさんに有意義な情報を教えて頂いたし、もはやあの藪超えは無理で、閖上から船で遡上するしか方法が無いから、もうやーめた。と思っていたのだが、おばさんが「今日、ミズトモが来て、広瀬川と名取川の合流点を見たいって来たんだけど、見つけられなかったんだって。」と言ってらしい。するとおじさんが、「なんだ、電話よこせば教えてやったのに。家からすぐそばだべや」ということになり、電話をおじさんがいる時間によこしてみてと言うことになったのさ。
そして、期待を込めて電話をしてみたら、家の辺りが合流点だったけど、今は藪になったからすぐには行けないから、草切ってやるからいつ来る?!」と嘘みたいな話となった。
決行日は8月5日(日)。ラジオの生放送終えると、お礼のつもりのビールを持って行くと、「んで、行くぞ」とおじさん。スニーカーを見て、「それじゃあダメだ」と長靴を貸してくれた。
川のそばまでいくとやはりすごい藪。少し移動すると川に向けて道が出来ていた。
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「いやぁ、通りやすいよう刈って見たんだけど、途中これじゃあ無理だからと戻ってやり直したりしたら2時間かかってしまったんだ。あんまり暑くて、川にはいっかと思ったんだ。」と楽しそうに話す。ろくに遊びにも来ない甥っ子のわがままに付き合ってもらったのかと済まない気持ちでいっぱいだ。長年手つかずの草木は、結構手強く、言われた通りの長靴じゃないと足が危険な状態だ。
おお、これが!
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急に視界が開けたと思ったらそこに、あった。
手前が広瀬川。奥が名取川だ。広瀬川が名取川と名前を変える場所。マリアージュな場所だ。
5日は仙台七夕花火祭の日。午後から雨が断続的に降っていた日だ。この時間、奇跡的に雨が上がってくれたので助かったが、数日来のこのブログで見せていた達郎的サマータイムとはいかなかった。
でも、この静かな佇まいこそが、うれしかった。
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さらに上流をみる。名取川に飲み込まれてしまうのをずっと前からわかっているような落ち着きはらった広瀬川という名のチームの入場行進のようだ。
思えば、この水系を動物の進化の図のようだと前回言ったけど、これはまるでトーナメントみたいなものだ。あちこちの谷間を伝い現れた水流は、対戦を繰り返し、力あるものに吸収されながら流れついてきた。いわばここが最終決戦。決勝戦だ。しかし、今さら今日は広瀬川ですとは言わないので、名取川が勝つと決まったトーナメントなのだ。
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下流はもはや名取川。雄大な眺めである。あ、川の流れ上っていない?上げ潮の影響で少し上がってきているようだ。
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改めて合流点を見る。手前より奥の方が動きが大きく感じる。名取川の方が深いのだそう。
おじさん曰く、ここの合流点は後から変えられた合流点。昔はもうちょっとだけ上流で、笊川とも近いところだったそうだ。
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うーん、静かだ。おじさんに「ありがとうございます。」と言って、この景色には心で「ありがとう」って言って、帰ることにした。
帰り道、木にすがるカブトムシを見つけたが、もはやそんなことで取り乱す僕ではなかった。笑

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今回、まさにとんがった三角の頂点の所に出てみることができました。衛星写真で見ると広瀬川の方が泥みたいな土色が見えて浅い事が感じ取れます。この付近は農作業している方もたくさんおられます。興味を持って行かれる方は、くれぐれも通してもらっているんだという気持ちをもってください。ここは舗装もされていませんし、駐車場もありません。ここで作業されている方の車が通るための通路です。マイカーなどで入るのはやめましょう。

さて、おじさんが言っていた「合流地点が変わった話」を調べてみよう。
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今回僕が通った道を基準に見比べるとわかりやすいので当ててみると、随分違う事がわかる。
現在の流れだと、パドックに入ったF1マシンがすんなりコースに戻れるようなラインになっているけど、1984年の広瀬川は、カーブしてくる名取川の背中にタックルを仕掛けたような形。でも、名取川の方が断然大きいから、猪口才なと広瀬川の流れを堰き止めてやってもいいんだぜ的な形にも見える。なるほど、大規模な護岸工事が行わたんだなぁ。